亡くなった親名義の実家を売りたいとき、最初に確認すること|福島市の司法書士が解説

「親が亡くなってから、実家には誰も住んでいない。そろそろ売ろうと思うけれど、名義は親のままだった…」

実家の売却を考えると、片付けや不動産会社探しに気持ちが向きます。しかし、その前に確認していただきたいのが、土地と建物の名義と、相続手続きの状況です。

売ることが決まってから書類を集め始めると、思ったより時間がかかることがあります。今回は、亡くなった親名義の実家を売却するときに、先に整理しておきたいことをお伝えします。

売却する場合にも、相続登記が必要です

相続登記とは、亡くなった方の土地や建物の名義を、相続した方の名義に変更する手続きです。

「すぐに売るのだから、自分の名義にしなくてもよいのでは?」と思われるかもしれません。ですが、相続した実家を買主へ引き渡し、名義を移すためには、相続登記が必要になります。一般的な相続による売却では、亡くなった親から買主へ直接名義を変えるのではなく、相続による名義変更を経て、買主への登記を進めます。

売却の相談を始めるときに、不動産会社へ「まだ相続登記をしていません」と伝えておくと、登記に必要な準備を含めて予定を考えやすくなります。司法書士にも、売却を予定していることや、希望する時期をお知らせください。

相続した実家の売却に向けた準備と登記
  1. 名義・遺言書・相続人を確認
    土地と建物の登記、遺言書の有無、家族関係を調べます。
  2. 相続する人や売却代金の分け方を整理
    遺言書の内容を確認し、必要に応じて遺産分割協議を行います。
  3. 相続登記
    亡くなった方から、相続した方へ名義を変更します。
  4. 売買による買主への登記
    売買の決済・引渡しに合わせて手続きを進めます。

一般的な流れの目安です。売却の相談や契約の時期は、相続手続きの状況に応じて調整します。相続登記の完了まで売却の相談や契約ができない、という意味ではありません。

最初に確認したいのは、名義・遺言書・相続人です

まずは、次の3つを確認します。

  • 土地と建物が、それぞれ誰の名義になっているか
  • 亡くなった方が遺言書を残しているか
  • 誰が相続人になるか

「父の家」と思っていても、登記を確認すると祖父名義のままだったり、土地と建物で名義が違ったりすることがあります。固定資産税の通知書だけで判断せず、登記の内容を確認することが大切です。

祖父名義のまま、その後に父も亡くなっているような場合には、相続の経緯をさかのぼって調べる必要があります。今の家族だけで話が済むとは限らないため、早めに確認しておきましょう。

遺言書がある場合には、その内容によって進め方が変わります。遺言書がなく、相続人同士で誰が実家を相続するか決める場合には、相続人全員による話し合いが必要です。この話し合いを「遺産分割協議」といいます。

「売って代金を分ける」ときも、先に決めておくことがあります

例えば、相続人である兄弟2人が「実家は売って、代金を半分ずつにしよう」と考えている場合です。

売却することについて意見が一致していても、誰の名義で登記するのか、売却にかかる費用をどう負担するのか、売却代金をどのように分けるのか、といったことを整理しておく必要があります。

片付けの費用や仲介手数料などを支払う前の金額を分けるのか、費用を差し引いてから分けるのか。このあたりが曖昧なままだと、売れた後になって「そんなつもりではなかった」という話になりかねません。

登記名義や協議書の書き方は、実際の分け方と合うように決めることが大切です。「手続きが楽そうだから、とりあえず1人の名義にしておこう」と決める前に、売却後の分配まで含めてご相談ください。税金の取扱いについて確認が必要な場合には、税理士と連携して進めます。

書類がそろっていなくても、ご相談いただけます

初めてのご相談では、手元にある範囲で、次のものをご用意いただくと状況を確認しやすくなります。

  • 固定資産税の納税通知書・課税明細書
  • 権利証、登記識別情報通知、登記事項証明書など
  • 遺言書や、すでに作成した遺産分割協議書
  • 亡くなった方とご家族の関係が分かるメモ

これは最初の相談のための資料で、登記申請に必要な書類一式ではありません。足りない書類や、取り寄せが必要な戸籍などは、状況を確認してからご案内します。

「先に全部調べて、書類をそろえてから相談しなくては」と思われるかもしれませんが、その準備で困っている段階でも大丈夫です。

福島福太郎法務事務所では、相続登記・遺産承継の手続きや、不動産売買に伴う登記手続きをお手伝いしています。福島市やその近郊にある実家の売却をお考えの方は、今の名義や相続の状況から、一緒に確認していきましょう。

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