福島市で親族間の不動産売買を考えたら、口約束で進めても大丈夫?

「親が住み替えるので、今の実家を子どもが買うことになりました。家族の間でも、契約書は作ったほうがよいのでしょうか?」

相手も家のこともよく知っていると、わざわざ書類を作るのは大げさに感じるかもしれません。お金の話を細かくすると、かえって気まずくなりそう、という気持ちも分かります。

それでも、親族間の不動産売買では、代金や引渡しの条件を契約書に残し、支払いと登記の段取りを一緒に考えることをお勧めします。親子だから省いてよいとは言い切れない部分があるためです。

口約束で成立することと、安心して進められることは別です

一般的な売買契約は、原則として口頭の合意でも成立します。民法では、法令に特別の定めがある場合を除き、契約の成立に書面は必要ないとされています。つまり、「まだ契約書に署名していないから、何も決まっていない」とも限りません。

ただ、後から困るのは「何を約束したのか」が曖昧な場合です。例えば、父から子へ実家を売る際に、「代金は引っ越してからでいいよ」とだけ決めたとします。父は引っ越し直後の一括払い、子は半年ほどかけた分割払いを考えていたら、話が食い違ってしまいます。

家族でも、同じ言葉から想像している内容が同じとは限りません。いつ、誰が読んでも約束を確かめられる形にしておくことが、双方の安心につながります。

契約書には、金額のほかに何を残すのでしょうか

少なくとも、次の点は具体的に話し合っておきたいところです。

  • 売る土地・建物はどれか。土地と建物の両方か、一部の持分だけか
  • 売買代金はいくらで、いつ、どのように支払うか
  • 所有権を移す時期と、鍵や建物を引き渡す日はいつか
  • 登記費用や固定資産税等の精算をどうするか。把握している建物の不具合をどう扱うか

「家を買う」という一言でも、敷地の一部が別の人の名義だったり、隣の駐車場は売買に含めないつもりだったりすることがあります。住み慣れた家でも、登記事項証明書などで対象を確認しましょう。

例えば、親が売却後もしばらく住み続ける予定なら、その期間や費用の負担も先に整理します。市販のひな形を埋めるだけでは、ご家族の約束が十分に表れないこともあります。まだ決まらない項目は、無理に空欄を埋めず、相談時に確認する事項として残してください。

「身内だから安く」で決める前に、税金も確認します

親としては、子どもにできるだけ安く譲りたいと思うかもしれません。ただし、個人から著しく安い価格で財産を買った場合、一般には、時価と実際に支払った代金との差額が贈与とみなされ、贈与税の対象となります。

土地や建物について、ここでいう時価は通常の取引価額です。固定資産税の通知書に書かれた評価額と、必ず一致するわけではありません。また、「時価の何割なら必ず大丈夫」という一律の基準で判断できるものでもありません。(参考:国税庁・個人から著しく低い価額で財産を譲り受けたとき)

契約書を作れば税金の問題も解決する、というわけではありません。価格を固める前に、物件の資料や支払方法を整理し、税理士や税務署へ税務上の取扱いを確認しておきましょう。契約や登記の相談と並行して進めると、後から条件を考え直す負担を減らせます。

代金の支払いと登記は、別々に進めないようにします

売買の約束ができても、登記簿の名義が自動で変わるわけではありません。買主が、原則として第三者に対して所有権を主張するには、登記が必要です。親族間でも、この基本は同じです。

「代金は先に渡しておこう。登記は時間ができたら」とすると、後で必要書類がそろわず、予定どおり進められないことがあります。代金を動かす前に、登記に必要な書類と申請の時期を確認しておきたいところです。

登記の際には、売買によって所有権が移ったことを示す書類なども必要になります。契約書があれば必ずそれ1枚で足りる、というものではありません。所有権をいつ移す約束なのか、実際の支払いはどうするのかを踏まえて、必要書類を整えます。

振込みの記録や領収書など、代金を支払ったことが分かる資料も、契約書と一緒に保管してください。分割払いを予定している場合は、所有権を移す時期や、支払いが滞った場合の扱いも含めて、先に相談しておくことをお勧めします。

条件が決まりきっていなくても、ご相談いただけます

最初のご相談では、物件の所在地、売る方と買う方の関係、希望する時期、考えている金額をお聞かせください。固定資産税の通知書や登記事項証明書など、手元にある資料があると状況を確認しやすくなります。すでに口頭で約束した内容があれば、それも分かる範囲でメモしてお持ちください。

福島福太郎法務事務所では、個人間・親族間売買の契約書作成や所有権移転登記をお手伝いしています。福島市や県北地域で、ご家族の間の不動産売買をお考えでしたら、契約前の段階からご相談ください。

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